「白雪姫と鏡の女王」 鏡よ、鏡よ。。。

 ハリウッド映画には童話のジャンルがある。「スノーホワイト」に続く白雪姫ものだが、こちらのほうが何気に面白い。予備知識もなく観たら監督がターセム・シンと知って納得。

 映画紹介
 原題 MIRROR,MIRROR
 製作年/国 2012年/米
 配給 ギャガ

 ジュリア・ロバーツ、新鋭リリー・コリンズらをキャストに迎え、多くの人に愛されてきたグリム童話をまったく新しい解釈とアイデアで描いたエンタテインメント作品。自ら運命を切り拓いていく行動的な白雪姫と、すべてをほしがる超ワガママ女王の対決を描く。故・石岡瑛子が手がけた美しい衣装や、アクロバティックなアクションも見どころだ。
(「ぴあ映画生活」より http://cinema.pia.co.jp/title/159786/



画像



 ちょっと軽く楽しむにはいいかな?という気分でビール片手に見始めたが、イントロから引き込まれる。おっ、これはハズレではないかも。。。
 遊び心が満載な展開で、作る側が肩肘張らず楽しんでいる感じで見るほうとしても安心できる。

 シャリーズ・セロンの「スノーホワイト」は悲壮感とおどろおどろしい展開でとても真剣に作っているという点が、かえって観るほうにとってはつらいものがあった。童話でここまでシリアスに迫られてもなあ。。。
 まあ、それなりに楽しかったような気もするが、印象に残っていない。

 こちらの「白雪姫と鏡の女王」については、観客を楽しませようとする意図がみえみえなのだが、ハイ私も一緒に楽しみましょうと一献傾けたくなる。拾いものでした。

 ストーリーはおなじみのものだが、巻頭紹介にもあるように「新しい解釈とアイデア」で楽しませてくれる。七人の小人は七人の盗賊だったということなので彼らの生計の謎が解けた。

 原題の「MIRROR,MIRROR」とは、意地悪な女王が自らの美貌を確かめるために王宮の魔法の鏡に向かって問いかける言葉「鏡よ、鏡よ。。。」であることは明白だ。
 この女王はジュリア・ロバーツが演じ、初の悪役?ということである。しかし、適役だ。と言っても殺したくなるほど憎たらしいわけではない。この映画はすべてそんなスタンスで描かれている。なにしろ一人の死人も出ないのだから。。。

 最期に、「やっぱり主人公は白雪姫だったか。。。」と女王に言わしめる白雪姫は眉毛が太く、まるでバブル期の女性みたいだが、物語の展開とともにとてもチャーミングに見えてくる。なにしろ逆境にへこたれず前向きなのである。
 映画鑑賞後に知ったのだが、この女優は、あのフィル・コリンズの娘さんだということだ。「リリー・コリンズ」というのか。。。時の流れを感じるな。。。フィルモグラフィーを見ると私が過去に鑑賞した映画にもいろいろ出ていたのね。。。

 白雪姫が恋するヴァレンシア国の王子様は「アーミー・ハマー」という役者だそうな。。。
 マーク・ザッカーバーグによるフェイスブック誕生を描いた「ソーシャル・ネットワーク」で双子の競艇部員役を演じていた役者。
 一応勇敢ではあるのだが、どこか頼りない王子様を好演している。

 死んだと思われていた白雪姫の父親、つまり国王が最期のほうに登場するのだが、これがイメージしていたとおりの「ショーン・ビーン」だったので笑うしかない。この人は最近、国王とか神様の役ばかりやっている。

 王宮を追われ七人の小人(盗賊)たちのもとで暮らすことになった白雪姫は七人の盗賊たちに、盗んでいいのは女王の不当な資産だけで民衆の日銭には手を出さないよう教える。
 七人の盗賊たちも今や共通の敵となった女王を倒すため、白雪姫に戦い方の訓練を施していく。このあたりのシークエンスは短いものだが、盗賊たちの心の変化、白雪姫の成長などが理解できる。(白雪姫が大人に成長した様子は衣装の変化で示される。)

 また、白雪姫の物語といえば毒リンゴが定番なのだが、この映画ではそんなこと関係なく話が進んでいき大団円を迎えたところで、あっ忘れてました!という感じで毒リンゴが登場する。観ているほうは、また一波乱あるのだろうか。。。と心配になるが、この映画の白雪姫はディズニーの白雪姫のように簡単にはだまされないのだ。

 見終わってから知ったのが、前述したように監督が「ターセム・シン」だったということ。この監督の映画はほとんど観ている。
 と言っても、これまで「ザ・セル」「落下の王国」「インモータルズ/神々の戦い」しかメジャーな作品は発表していないみたいだが。。。「落下の王国」なんて人によっては退屈だろうが、私にとってはツボにはまった映画だった。
 意地悪な女王が魔女と交流?するため鏡の世界に入り込んでいく情景は「落下の王国」を彷彿とさせる。

 私の中で同傾向の監督として位置づけられるのが、モンティ・パイソン出身の「テリー・ギリアム」だ。「ローズ・イン・タイドランド」「Dr.パルナサスの鏡」などの世界観に酔いしれた。
 二人に共通しているのは、描く世界がシュールレアリズムという点。自分なりの感想だが。。。

 映画のエンドロールが流れる前に楽しい仕掛けが用意されている。
 さすがインドの監督だけあって、ボリウッド・ミュージカル風の歌と踊りが展開される。とても楽しい。ここでの白雪姫(リリー・コリンズ)もチャーミングとしか言いようがない。
 意地悪な女王に支配されて圧政の下、歌と踊りを忘れていた民衆たちが再び笑顔を取り戻すようになった。と解釈しよう。

 エンドロールの最期に、急逝した「石岡瑛子」さんを追悼するテロップが控えめに流れる。
 マイルス・ディビスのアルバム・ジャケットや舞台美術などで数々の賞に輝き、また、ターセム・シン監督の映画の衣装を担当するなど、国際的なグラフィック・デザイナーとして活躍された方とのこと。この映画が遺作となる。

 予備知識なしで映画を見始めるというのは私の悪い?クセであるが、それ故に見終わったあとに勉強することがいっぱいある。。。。。



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